米国のBakerHostetler弁護士事務所は、2016年に、IBMの「ROSS」と呼ばれるAI(Watson)を使用して、弁護士の破産実務を支援すると発表しました✨
他の弁護士事務所もROSSと契約を結びましたが、BakerHostetler弁護士事務所は、最初にAIの使用を発表した弁護士事務所です。
人工知能「ROSS」とは?
ROSSは、IBMのAI(Watson)を使用して、迅速に法的な調査を行うことができるプラットフォームです。
ROSSは訴訟に勝つために必要な情報を迅速に見つけてくれるので、弁護士は他の必要なことに時間をかけることができます✨
ですから、ROSSがAI弁護士だというのは間違っています。ROSSの仕事内容は、パラリーガルです。
パラリーガルとは、弁護士の指示・監督の下、法律に関する業務を行う職業のことです。
人工知能「ROSS」の使用料
月額最低69ドルから利用できます。
無料で試すこともできます。
BakerHostetler弁護士事務所がROSSを使用すると決めた理由
BakerHostetler弁護士事務所のスティーブンケストナー氏は、インタビューで、27テラバイトのデータを処理するために、人工知能「ROSS」を使用することに決めたと説明しました。
ROSSは、数十億のドキュメントを検索した後、質問に答えてくれるのです。
人工知能「ROSS」を導入して、BakerHostetler弁護士事務所は、どうなったのか?
事務所の人数は、どうなったのか?
Headcountとは、社員数を意味しています。
波うった黒い線がHeadcountを表しています。
2016年の総従業員は、905人
2017年の総従業員は、920人
2018年の総従業員は、906人
2019年の総従業員は、941人
AIを導入したのに、従業員は、増えてるじゃないですか(笑)
もしかして、AIの手を借りても足りないくらい、仕事が増え過ぎたのかもしれない😅
それなら、相当儲かってるはず!😁
事務所の総収入は、どうなったのか?
Revenueとは、総収入を意味しています。
水色の棒グラフがRevenueを表しています。
2016年の総収入633500000ドル
2017年の総収入642500000ドル
2018年の総収入647065000ドル
AIを導入し、従業員を増やしたのに、総収入は、そんなに増えてないじゃないですか(笑)
事務所の世界ランキングは、どうなったのか?
2018年のGlobal 200の調査では、BakerHostetler弁護士事務所は、世界で69番目に高い収益を上げている弁護士事務所にランクされました。
2018年の総収入は667,009,000ドルで、BakerHostetler弁護士事務所は、アメリカ弁護士の2019年のAm Law 200ランキングで60位になりました。
2019年のNational Law Journalの規模に基づくNLJ 500企業ランキングによると、BakerHostetler弁護士事務所は、941人の弁護士を持ち、米国で39位にランクされています。
BakerHostetler弁護士事務所は、世界的にすごい事務所ですが、AIを導入してから、ランキングは下がっていますね(笑)
BakerHostetler弁護士事務所のランキングが下がっていることから判断すると、全世界の景気が悪いから、総収入があまり増えていないというわけではなさそうですね。
僕が、ふと思ったこと
AIは、単純に弁護士事務所の収入を増やすというわけでもなく、また、弁護士の仕事を奪うというわけではなさそうですね。
もちろん、今まで新米弁護士がやっていた簡単な業務や雑用は、AIがやってしまいそうです。
でも、AIがする仕事はそればかりではなくて、弁護士が訴訟相手にどうしたら勝てるかを助言するものとして大きく進化していくと思います。
一番大事なのは、訴訟で勝つことですから。
また、AIと一言でいっても、すべてのAIが同じ能力であるわけではないです。
誰がどのようにAIを作ったかによって、AIの能力が変わってきますし。
あまり言いたくないですが、能力の高いAIを使いこなす弁護士を雇える大金持ちや大企業が裁判に勝ちやすくなるでしょうね😢
今回の記事は以上になります。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございますm(_ _)m